Interop TokyoにSTMとして参加してきた話

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皆さん、インターネット、使ってますか!?
この記事を読んでいるということは、きっとインターネットを使っていますよね。
ほとんどの人が毎日使っているであろう、インターネットに関するイベントに参加してきたので、その事について書いてみました。

STMについて、参加者が書いた記事があまりない気がしたので、STMを知らない人, 参加を検討している人がなんとなくどんなものなのか分かってもらえる事を目指して書きました。

Interop Tokyoとは

Interop の名前の由来通り「Interoperability (相互運用性)」をテーマに、最先端の機器、技術、サービスが一堂に集まり、その具体的なビジョンと出会えるイベント

です。 (http://www.interop.jp/2014/about/index.html より)

ShowNetとは

I know it works because I saw it at Interop.

(http://www.interop.jp/2014/shownet/point.html より)
この一言に尽きます。
インターネットの世界最大のライブデモンストレーションです。
NOC(Network Operation Center)メンバーの方々が10ヶ月掛けて作り上げたデザインを基に、約2週間かけて構築されます。

STMとは

展示会場や会議施設などにShowNetを構築するためのボランティアメンバーの総称がSTM(ShowNet Team Member)です。
STMは、ShowNetを“ゼロ”から作り、運用し、そして“ゼロ”に戻すために必要不可欠な作業を行います。

(http://www.interop.jp/2014/shownet/stm.html)
学生も社会人も一緒にチームを組んで作業します。参加者は社会人が多いです。
企業に所属している方は業務の一環として、もしくは有給を取って参加されるようです。

どんなことをしたのか

STMは、参加する期間によって、HotStage組と会期組の二種類があります。
HotStage組は、InteropTokyoが開催されるまでの12日+本番3日の計15日間,
会期組は、InteropTokyoが開催されるまでの4日+本番3日の計7日間、ShowNetの構築、運用に携わります。
その他に、ShowNetの機材, 技術提供企業の中からShowNet構築のサポートをしてくれるCTM(Contributor Team Member)もいます。
今回、私は会期組として参加したので、会期組の行ったこと事について簡単に書きます。

1日目

  • HotStage組, 会期組 ,NOC, 事務局(全体)で顔合わせ、今年のShowNetの概要についてミーティング
  • ケーブルショップの店長さん*1にLANケーブルの作り方を教えてもらった
  • 裏パッチ接続*2をした

2日目

  • 展示会場の出展社にドロップ*3を提供するためのL2スイッチの設置
  • コントリビュータールームに設置されたL2スイッチのコンフィグ
  • ドロップチェック
    • 実際に各出展社ブースまで向かい、ドロップにPCをつないでネットワークの疎通確認, 異常があった場合は、トラブルシューティング

3日目

  • NSCカウンター業務(~最終日)
    • 出展社が展示の準備をはじめるのですが、その際にネットに繋がらない, 設定がうまくいかない等のトラブルを受け付けます
  • ケーブルコスメ
    • ラックに載っている機材を来場者に綺麗に, カッコよく見せるためケーブルの取り回しを工夫します

4日目

  • トラブルシュート
    • NSCカウンターで受け付けたトラブルのヒアリング, 解決にあたります

5日目

  • 展示会開始
    • ShowNetの本番運用開始です
  • ShowNet ウォーキングツアー
    • NOCの方が来場者向けにShowNetを解説するツアーの補助をします
  • 無線LAN測定
    • 多くの来場者がいるなか、混雑した無線LAN環境がどの程度使えるのか、測定を行います

6日目

  • NOCテクニカルセッション
    • STMからの希望を受けてNOCチームやコントリビューターの方から講義が行われます
    • PIX-IEについて
    • ShowNetのつくりかた
    • VXLANについて
  • ShowNet Party
    • ShowNetの完成を祝うパーティです
    • 最終日は撤収があるので2日目に行います

7日目

  • vShowNet
    • Hotstage組の方が会期組の人もルータ等のconfigを打てるようにと、仮想環境を用意してくれました
  • NOCテクニカルセッション
    • Ansibleを用いた仮想スイッチ等の構築の自動化について
    • Interopの会場に提供しているShowNet WiFiについて
    • Cisco ACIについて
  • 片付け
    • 展示会の終了とともに、ShowNetをシャットダウンし、解体します
    • ここまで大規模なネットワークを解体するのは、ここでしかできないと思います

8日目

  • 帰宅
    • 深夜まで解体作業が行われるので帰宅は8日目になります
    • ここまでの疲労が一気に襲いかかってきますが、11時までにホテルをチェックアウトしなければいけません

その他写真など

STMで体験できること

私は、昨年に引き続き、会期組2回目の参加だったのですが、今年もたくさんの事を学ばせて頂きました。
世界最大のインターネットのデモを構築、解体を通して、ケーブルの成端や取り回し、ラッキングといった物理作業から、機器への設定の入力、運用までを一気に学び、体験することができました。

「STMに参加するには相当な技術がないとダメなんでしょ?じゃあ僕には無理かな…」と言って諦めてしまう友人もいたのですが、そういう人こそ参加すると得られるものが沢山あると思います。応募資格に技術力の項目はありません!

STMをきっかけにいろいろとやりはじめる人もいるようですし、もともとすごかったけどSTMをきっかけにさらにすごくなる人もいるようです。
申し込んだからといって必ず参加できるとは限りませんが、申し込まないと参加は出来ません。

迷っている人は、まずは説明会への参加を申し込んでみて欲しいと思います。
参加ができなくても、Interop Tokyoにお客さんとして来てください。(事前登録をすれば)入場料は無料ですし、NOCの人のお話を聞いたり、直接質問する機会もあります。

また、業務としてネットワークの運用に関わっている人、普段は営業職の人、学生、様々な方と知り合いになって親睦を深められるのも、Interopならではです。

STMに参加するには

毎年1月下旬からSTMの募集についてInteropTokyoのサイトで告知されます。
2014年はこんな感じでした。(http://www.interop.jp/2014/shownet/stm.html)
ここで登録すると、説明会に参加する事ができます。
そして、説明会で参加申込書を提出し、選考のうえ、採用されると参加する事ができます。

さいごに

InteropのShowNetはたくさんの企業のコントリビューションで成り立っています。
ですから、一般には公開できない情報を扱う事もあります。
今回記事を公開するにあたって、問題がないかどうかNOCジェネラリストの方にレビューをして頂きました。

*1:LANケーブルやファイバーケーブルを管理されている方のこと

*2:ケーブル群を収納し接続するためのパネルへの配線作業

*3:各出展社ブースに提供するLANケーブルのこと