情報科学若手の会に参加しました/運営をしました/幹事とは #wakate2018

第51回 情報科学若手の会に参加してきました。
そして今年は自分が情報科学若手の会の代表幹事になりました。 無事に終えることができてよかったですし、楽しかったです。
最後に若手の会の記事を書いたのは2年前かつ会社のブログだったので、今回はこっちに書いてみます。

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どんなことをやったのか

情報科学若手の会はこんな会です。 https://wakate.org/about/

招待講演、若手特別講演は上記のような感じでした。

一般参加者からの発表はざっくりテーマ的にはこんな感じでした。

詳細は開催報告で書くのでそちらに…(早めにアップします。。)
twitterハッシュタグ #wakate2018 でツイートは追えます。

twitter.com

(会社の元同期でもある)κeenの各プログラミング言語での非同期処理の表現方法についての発表は自分が業務で扱っている技術的対象でもあるので知識の整理になってよかったです。

Futureとその周辺 | κeenのHappy Hacκing Blog

早坂くんの発表はSegmentRoutingについてで、言葉は耳にしたことがあるもののどんなものなのか全く知らなかったので周辺知識と一緒に学ぶことができました。

Segment Routingの利用例と未来 - Speaker Deck

今回の開催地

加藤山崎教育基金の軽井沢研修所にて開催しました。

www.kato-karuizawa.jp

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過去6年間は伊東の山喜旅館で開催していましたが、今年は場所を変えてみました。 大研修室は広くて使いやすく、プロジェクターが最新の強いモデルになっていたのでスライドの視認性が高くてよかったです。日程がもうちょっと遅いときれいな紅葉が見られそうです。

情報科学若手の会の幹事とは

幹事を選出する基準は特に決まっていませんが、後述する情報科学若手の会の規約のとおり幹事会によって選出されます。僕は3年前の若手の会の途中に当時の幹事に呼び出されて幹事にならないかと声をかけられ今ココという感じです。 規約は3年くらい前からGitHub上で管理されていて、変更をするにはプルリクエストを投げます。イマドキですね。

github.com

最近では幹事の承認はプルリク上のapproveですし(幹事会をやっている時や意味の変更を伴わない修正は省略することもあります)、プルリクがマージされるとCIによってPDFが自動生成されます。

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幹事をやることで金銭的なメリットはないです。一般参加者と同様に参加費を支払って参加しています。そういう意味もあってタイトルには参加しましたと書きました。
幹事も一参加者なので、幹事も楽しめないといけません。幹事が事務作業に追われていて全員が発表を聴けない時もあったそうですが、改善や情報処理学会のご協力により負担が軽減され、今では全員セッションに参加できています。とはいえ幹事も一般発表したりのんびりする暇があるかというと正直厳しいところがあるので事前準備を頑張るとかしていきたいです。

なぜ幹事をやるのかは人によって違うかもしれません。少なくとも自分の場合は若手の会に参加したおかげでたくさん刺激と影響を受けたので、こういうコミュニティに貢献したいという気持ちがあるのでやっています。あと、幹事のメンバーでわいわい企画して運営するのも楽しいです。

お金のはなし

今回、参加者に情報科学若手の会の予算についてどうなっているのか聞かれることがちょくちょくあったので簡単にどうなっているのか書いてみます。
収入は参加者からの参加費と、スポンサー企業からのスポンサー費と、主催である情報処理学会のプログラミングシンポジウム委員会からの補助です。
今年の参加募集ページをご覧頂くとわかりますが、参加費は2泊3日、食費と懇親会費もろもろ込みです。安いと感じられる方が多いのではないでしょうか。学生は格安、社会人も気軽に参加できる程度を目標にしています。 開催地もその点を考慮して選んでいて、費用と環境のバランスが取れる場所を選定しています。
最終的に残った額は全額学生への交通費補助に充当しています。翌年へ予算の繰越はしていません。

情報科学若手の会はどういう会なのか

国会図書館に行って調査したのですが、第8回(43年前!)の参加報告書にはこんなことが書かれていました。

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当時は大学卒業後6年以内が若手の会の参加資格だったようです。

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今では参加資格を「若手」とあえて明確には定めておりませんが、基本的なスタンスは「学会」「研究会」としています。しかし学会ほど堅い雰囲気もなく、また情報科学という非常にざっくりしたテーマにしているので様々な分野を専門にしている人が集まります。今年は高校生が2名参加して、それぞれショートセッションで発表してくれました。 若手の会ですから、参加者が固定されてしまっては全員一緒に歳を重ねてしまい、気がついたころには若手ではなくなってしまうので常に新規の参加者を集めなければなりません。研究室選びの悩みはもちろん、情報科学若手の会で先輩に相談した結果博士課程まで進学したという人も居るわけで、そういった先輩後輩の相談の場でもあります。そういった場を提供するためには初学者の若手の会への参加ハードルを下げるような工夫や参加しやすい雰囲気づくりをしなければなりません。 一方で情報処理学会の組織の一部であり、「学会」「研究会」のような側面も持ち合わせていますから、最先端の研究の発表やそれなりの基礎知識を前提とする深い発表もされます。 必ずしも全員が理解できる内容ではなく、チュートリアル的な発表もあれば参加者の一部しか完全には理解できない発表もあります。登壇者に対して幹事から特に発表内容の技術的/知識的難易度は指定しておらず、完全にお任せしています。そのおかげで登壇者は話したいこと、参加者と議論したい内容を自由に持ち込んでもらい好きなように時間を使ってもらえているのですが、参加を迷っている人からするとそれがハードルに感じさせてしまっているかもしれません。また、初参加の方はどのような聴衆を想定すればいいのか迷うかもしれません。

ルールなく自由にするのがいい面と悪い面はあるのでここのバランスやどのような立場を取るのかは継続的に話し合っていくようにしたいですね。

これからやること

まずは会計処理等事務的な手続きをして、反省会です。今年は幹事が3人入れ替わったのと開催地を替えてみたこともあり不慣れなことが多かったです。アンケートを読み返したり振り返りをしつつ来年どうするかを幹事で話し合います。その後来年1月のプログラミングシンポジウムで開催の報告をしたら第51回は終了です。 第52回ももちろんやるつもりなので、準備は来年の春くらいからやりましょうかね。

非公式イベントではありますが、情報科学若手の会 冬の陣という1日限定イベントもここ数年は開催しているので今年もやるのかどうかこれから検討します。

wakate.connpass.com

感想とか

情報科学若手の会に初めて参加したきっかけは6年前の夏のことです。 当時は大学2年生でした。大学の授業のTAをやっていたとある先輩からメールで誘われてよくわからないまま参加する言ったのがきっかけです。

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読み返してみると思ったより軽いやりとりで、これだけの情報でどうして行こうと思ったんだろうかと思ってしまいました(笑)まぁ、先輩に誘われたからですね。この先輩はすごくて、たしか僕が初参加した年は「ひとりぼっちをなくすこと」を目標に動いていた気がします。初参加だったもので懇親会で浮き気味だったのですが、いろんな参加者を紹介して繋いでくれて、おかげでとても楽しかった記憶があります。ありがとうございます。

気がつけば4回目の参加から幹事になり、今回の7回目(2015年は海外出張が被ったのでオンラインでちょこっと顔を出しただけ)の参加にして代表幹事になってしまいました。だからといって大きく変わったこともなく、今回も楽しかったです。台風がきた時の対処を考えている時はドキドキでしたね。晴れてよかった。 伊東から軽井沢に移り、海から森にきたので緑が豊かでした。

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キノコがたくさん生えていて探すのが楽しかったです。キジが生息しているそうですが僕は出会えませんでした(´・ω・`)

発表はどれも楽しかったし、勉強になるものばかりで発表/参加してくださった皆様には感謝です。

今年も情報科学若手の会で出会うようなすごい人達に追いつけるようにがんばろうと思ったのでした。

また来年お会いしましょう!

告知

情報科学若手の会の派生元である、情報処理学会 「第60回プログラミング・シンポジウム」が2019年1月11日〜1月13日の3日間、伊東にて開催されます。 若手の会と違い様々な年代の方が参加されますし、先生方も多くいらっしゃるので若手の会よりはアカデミック色が強めです。今年の1月のプログラミングシンポジウムに初めて参加しましたが、こちらも楽しかったです。

www.ipsj.or.jp